これまでの防錆方法は防錆油で金属表面に皮膜を形成させ、水分が付着しない様にするだけでした。この方法は短期の防錆では有効ですが長期保管、環境側面、脱脂の後工程、製品の品質管理などでトータルコストの掛かる防錆方法です。
インターセプト・テクノロジーTM は20年を超える長期保管、油を使用せず環境に配慮し、しかも有機溶剤による製品性能の劣化を起こさない非常にクリーンで安全な防錆ソリューションです。


反応性銅粒子が腐食性ガスを吸着して中和する。

インターセプト・テクノロジーTM樹脂に含まれる特殊銅粒子は通常の銅粒子に比べ、256倍の表面積を持ちます。この銅粒子は非常に活性化されており、様々な物質と反応し易くなります。下図の様にインターセプトの反応性銅粒子(プラス電子)は電位差によりマイナス電子の腐食性ガスを吸着し、銅粒子自体が腐食します。この犠牲アノードの原理によって密閉空間内は完全に中和され、中和された環境にある金属は錆びなくなります。

腐食性ガスとの反応
硫化水素(工場内)
Cu + H2S = CuS + H2
塩化水素(洋上、沿岸)
Cu + 2HCl = CuCl2 + H2
二酸化硫黄(工場内)
Cu + SO2 = CuS + O2
オゾン(大気中)
Cu + O3 = CuO + O2
二酸化窒素(排気ガス)
Cu + NO2 = CuN + O2

反応性銅粒子が大腸菌なども殺菌する。

銅粒子本来が持つもう一つの機能として、殺菌作用があります。インターセプト・テクノロジーTMに含まれる特殊な銅粒子は非常に活性化されており、通常の銅粒子よりも早く大腸菌などの細菌を死滅させます。
第三者機関TUVの試験では大腸菌、ブドウ球菌、O-157を24時間で滅菌を証明されました。


インタ−セプト・テクノロジーTMは半導体デバイス

スタティック・インターセプトは静電気破壊防止と腐食防止の両方を実現する他の有効的な材料を遥かに凌ぐ特性を持ちます。電気特性側面では、表面抵抗値は湿度に左右されず、10e5から10e10Ω/Sqinまで設定可能であり、恒久的に電気特性に変化がなく非常に安定します。(NEBS*GR-1421-CORE ESD指令4.8.1.5.175準規) また、揮発性添加物を含まず何ら析出しないので製品への汚染が一切ありません。
スタティック・インターセプトはCMOS (Copper Molecular Oxide Semiconductor)と称され、半導体材料です。


競合他社製品との比較

■防錆
インターセプト・テクノロジーTMはこれまでの防錆方法とは違い、金属表面に油で皮膜を作る必要がありません。
防錆油などでの防錆(皮膜を作る)の工程では、以下の様な問題点があり、これらは全てコストに跳ね返ります。

・金属素材により防錆油/防錆フィルムの変更/選択 ・脱脂が必要(脱脂時の設備、人件費、廃液処理は莫大なコスト)
・防錆油による製品への汚染 ・防錆剤成分の輸入規制(気化性防錆剤に使用されるアミン、アミノなど)
・廃棄物の増加(油の付着したフィルム、紙は全て焼却処理が必要、CO2排出) ・人体に与える悪影響(アミン、アミノに含まれる発ガン性物質、気化性はトルエン由来、など)
・短期保管での錆発生事故(海外輸出後、現地での保管で発生事例多数) ・防錆油の塗布が出来ない製品の保管(複合部品、ガラス、燃料系などの製品)
   

■静電気破壊防止(ESD)
一般的な帯電防止フィルムは有機化合物が添加またはコーティングされており、その有機化合物が吸湿することで導電性を発揮しますが、ESDコントロールには以下の欠点が挙げられます。
1. 有機化合物は気化性のため、高温下に数ヶ月、低温化に数年で気化し絶縁体となります。
2. 有機化合物は吸湿して導電性を得るため低湿度では機能しません。相対湿度30%以下の乾燥地、ドライパッケージでは絶縁体となってしまいます。
3. 有機化合物は光学機器のレンズやファイバーの接合面に堆積し、性能を低下させます。
一方、インタ−セプト・テクノロジーTMは温度・湿度・時間によって電気特性が左右される事がありません。
技術資料:1.腐食対策と静電気破壊防止 2.腐食に敏感な製品の保護 (開発者著書)

■殺菌性
銅が本来持つ殺菌性をインターセプトテクノロジーも兼ね備えています。大腸菌、ブドウ球菌、O-157を死滅させます。試験資料はこちら


錆発生原因について

錆の発生は腐食性ガスと水分による原因があります。腐食性ガスは金属に対して直接的にインパクトを与え錆を発生させます。例えば硫化水素、塩素などは水分がなくても錆を発生させます。純水では全く錆びを発生させませんが、腐食性ガスや有機物が混入すると錆を発生させます。純水は不純物が無いため絶縁体ですが、大気中の湿気は不純物が混入しており導電体にです。導電体となった水分は金属の表面に付着し、金属の電子を奪い、金属は酸化し水分は還元され、錆を発生します。防錆油も酸化し、最終的にはコンタミ原因物質となります。
■腐食性ガス
大気中には様々な腐食性ガスが存在します。海上では塩化水素、工場内、火山、温泉などからは硫化水素、工場、自動車などからは窒素酸化物、など。大気中に飛び出したこれらの腐食性ガスは酸性雨となり地表に降り注ぎます。日本の大気中の硫化水素濃度は約7ppbですが新興国,特に中国・上海では800ppb、広州では1500ppbにもなります。大気汚染と錆の原因は密接な関係があります。
インターセプトの防錆方法は油で表面皮膜を形成する一般的な防錆方法と異なり、腐食性ガスを中和環境で酸化を止め、防錆します。フィルムで水分の吸収が不可能なため、基本的に乾燥剤を同梱する必要があります。腐食性ガスの中和と乾燥剤での水分コントロールにより完璧な防錆が可能となります。
■湿気・結露
湿気は温度変化により結露となりますが、その過程で空気中の腐食性ガスを取り込みます。酸性雨と同じ現象が梱包袋内で起こり、錆の発生を促進させます。この結露が発生する前に腐食性ガスをインターセプトが吸着し、空気中の湿気を乾燥剤で吸着します。

乾燥剤とインターセプトは車の両輪

反応性銅粒子で腐食性ガスを完全に中和し、クレイ系乾燥剤で腐食性ガス、有機物を含んだ水分を吸着することで完璧な防錆が可能となります。LDPEは腐食性ガス、湿気を透過してしまいますが、インターセプトは透過する過程で腐食性ガスをフィルム内で吸着し、中和します。
■クレイ系乾燥剤について
硅素土を原料とするクレイ系乾燥剤は毛細管現象により水分を吸着します。また、原料が中性(pH7-8)のため、中和環境を作るインターセプトをご使用の際にお勧めします。
■シリカゲルについて
一般的なシリカゲルは原料が酸性であり、飽和状態に達すると吸湿した水分を一気に吐き出すのでお勧めしません。また、ベル研究所の検査結果ではシリカゲルから析出したカルシウム、シリカなどにより錆の発生も確認されております。